「らから始まる言葉」を検索する動機の圧倒的多数は、対人ゲームにおける緊急回避です。とりわけ「食べ物縛り」のしりとりや語彙クイズにおいて、出題頻度が高いにもかかわらず選択肢が狭いと感じられるのが「ら」の難所。ここで多くの人が陥る最大のトラップが、前述の「ラーメン」です。脳内検索で最速ヒットする国民食でありながら、語尾が「ん」であるため実戦では自滅手を意味します。
さらに「ライチ」を出して難を逃れたとしても、相手が再び「ゴリラ」や「コアラ」といった強力なら行アタックを仕掛けてきた場合、二の矢が放てずに沈黙してしまうケースが後を絶ちません。こうした局面で周囲を唸らせるのが、イタリア料理の定番であるラザニアや、南フランス発祥の煮込み料理であるラタトゥイユです。
「ラザニア(最後が『あ』)」を繰り出せば相手に回答の広い選択肢を返す余裕を見せられ、「ラタトゥイユ(最後が『ゆ』)」を放てば、今度は相手に「ゆ」という比較的返しにくい文字を押し付ける攻防一体の戦術が成立します。手札を広げる第一歩は、日常的に口にしていながら「ら」始まりとして意識していなかった外来料理に目を向けることです。