テレビ朝日系列で長年放送されているアニメ版『ドラえもん』において、シンエイ動画のクリエイター陣はキャラクターごとのテーマ性を音で表現することに心血を注いできた。藤子・F・不二雄が描いた原作コミックスの魅力を立体化するため、アニメ制作チームが打ち出した工夫の一つが、スネ夫特有の「自慢話シーン」における劇伴(BGM)の演出だ。
どこかコミカルで、少し気取った軽快なジャズ調のラテンリズム。この音楽が流れた瞬間、視聴者は「またスネ夫の自慢が始まった」と瞬時に理解する。小学館のコミックスから飛び出したキャラクター性が、音の演出によって完璧に補完された典型例といえるだろう。映像と音楽が完璧に同調する快感は、当時の子供たちの記憶に強く刻み込まれた。