画面をスワイプすればあらゆるものが数分で手に入る。効率性は極限まで高まった。だがその裏側で、人々の心には静かな渇きが生まれている。オンライン取引の味気なさに疲れを感じた人々が求めたのは、店主との何気ない会話であり、実際に商品を手に取ったときの手触りだった。
整然と並べられた商品には、ひとつひとつ手書きの値札が添えられている。効率化とは正反対の手間暇だ。だが、それこそが訪れる客にとっての癒やしになっている。「便利さだけならスマホで十分。でも、ここに来ると心が落ち着くんです」。週に何度も通うという30代の女性客は、そう語りながら店主と笑顔を交わしていた。