所属事務所であるホリプロとの関係もまた、芸能界では稀有なほど清廉なものだった。創業者の堀威夫氏とは互いに深い敬意を払い合い、所属タレントの模範として事務所の礎を築き上げた。事務所の後輩たちに対しても、言葉ではなく自らの規律正しい行動でプロフェッショナリズムを示し続けたという。
撮影現場では衣装のズボンに折り目がつくのを嫌い、休憩中も決して椅子に深く腰掛けなかったという有名な逸話がある。サスペンスドラマの緊迫した現場でも、家族の機微を描くホームドラマの現場でも、その徹底したストイックさは変わらなかった。自らを厳しく律する姿勢があったからこそ、視聴者は彼の発する一言ひとことに揺るぎない説得力を感じ取っていたのだ。