火災が発生したのは、歴史ある寺院や緑豊かな住宅が点在する文京区小石川のマンションだった。サイレンが鳴り響いたのは白昼。目撃者の証言によると、建物上層階のバルコニー付近から突如として濃い灰色の煙が立ち上り、瞬く間に周囲の視界を奪っていったという。
東京消防庁からはポンプ車やはしご車など多数の部隊が急行。道路幅が限られる住宅街の路地裏で、消防隊員による迅速なホースの敷設と消火活動が決死の覚悟で続けられた。建物内部からはパチパチと建材が爆ぜる不気味な音が響き、窓枠からは赤黒い炎が舌を巻く。煙の充満は凄まじく、消防隊員が呼吸器を装着して突入を繰り返す過酷な現場となった。