志村のキャリアにおいて、コントの芸術性を極限まで高めた金字塔が『志村けんのだいじょうぶだぁ』である。ここで見せた女優・いしのようことの阿吽の呼吸による掛け合いは、今なお語り草となっている。
代表作「ご存じ!じぇんとるまん」や夫婦の寝室を舞台にしたシチュエーションコントでは、下ネタや艶笑劇の要素を散りばめながらも、男女の機微や心理戦を絶妙なテンポで描写した。いしのようこが放つ鋭いリアクションと、志村が見せる情けなくも憎めない男の哀愁。二人の絶妙な距離感が生み出すコントは、下品さを感じさせるどころか、洗練された大人のエスプリすら漂わせていた。