成獣には無敵に見えるコモドドラゴンですが、卵から孵化したばかりの幼体期には極めて過酷な試練が待ち受けています。驚くべきことに、幼体にとって最大の天敵は「成獣のコモドドラゴン自身」です。
過酷な乾燥地帯である島嶼部では餌資源が限られており、成獣は空腹を満たすために同族の幼体を躊躇なく捕食します。調査によれば、成獣の食事の約1割が同種の幼体で占められているとも報告されています。
この凄惨な共食いから生き延びるため、幼体は孵化すると直ちに木の上へと登り、樹上生活を開始します。体重の重い成獣は木登りができないため、樹上は幼体にとって安全な避難所となります。さらに、幼体は自らの体に糞を塗りたくり、成獣の食欲を減退させるカモフラージュ行動を取ることさえあります。体重が増えて地上に降りるまでの数年間、彼らは同族の脅威から逃れ続ける知恵を身につけているのです。