本来、このミームの根底にあるのはCOAT CORPORATIONが制作したゲイビデオ作品『真夏の夜の淫夢』である。作中で「田所浩二」という役名をつけられた一人の出演者が、いつしか「野獣先輩」として日本ネット界の象徴的アイコンとなった。
しかし、中国に渡った時点で元ネタの生々しいコンテキストは漂白され、抽象的な「概念」へと生まれ変わった。本人の実像や元の文脈を知らない若者たちにとっても、その独特な表情やポーズは無限の素材として機能する。田所浩二という一人の人間は、国境をまたぐ過程で個人を離れ、パブリックドメインに近い「フリー素材」のような記号へと昇華したのだ。