早戸川林道での探鳥を成功させる鍵は、狙う野鳥の生態サイクルに合わせた時期設定にあります。「いつ行っても何かがいる」と言われる名所ですが、観察対象を絞り込むことで遭遇率は飛躍的に向上します。
春の渡り鳥を狙う場合のベストシーズンは、4月下旬から5月下旬です。この時期は新緑が深まりすぎる前で葉陰に隠れる小鳥を視認しやすく、オオルリやキビタキが活発にさえずるため、音を頼りに居場所を特定するのが容易になります。5月中旬を過ぎるとサンコウチョウの飛来数が増加し、金沢橋周辺の薄暗い杉林や沢筋で「ツキ・ヒ・ホシ・ホイホイホイ」という独特の鳴き声が響き渡ります。
一方、冬鳥観察のハイシーズンは12月中旬から翌年2月下旬にあたります。葉がすっかり落ちることで見通しが抜群に良くなり、鳴き声は聞こえるものの姿を捉えにくい藪性の小鳥たちをじっくり観察できる絶好のタイミングです。特にベニマシコは厳冬期に採食活動が活発化し、雪が降った翌朝などには雪面と赤色のコントラストが際立つ絶好の撮影機会が訪れます。