根本的な違いは、信仰する対象とそのルーツにある。お寺は外国から伝来した仏教の施設であり、釈迦(ブッダ)の教えに基づいている。ここでは仏像が安置され、出家した僧侶が修行に励み、人々の救済と悟りを目指す。死後の安らぎを祈る場としての役割も強く、境内に墓地が併設されているケースが大半だ。
一方、神社は日本独自の民族信仰である神道の聖地である。自然界のあらゆるものに神が宿ると考える「八百万(やおよろず)の神」を祀り、本殿の奥深くにあるご神体(鏡や剣、山そのものなど)に向かって祈りを捧げる。神道では「死」を穢れ(けがれ)と捉えるため、神社にお墓が存在することは基本的にない。命の誕生や成長、地域の繁繁を祝う生者のための祈りの場という色彩が濃いのだ。