1980年代後半のデビュー以来、ニューエイジ・ミュージックの代名詞として語られてきた彼女だが、そのルーツには常に濃厚なケルト音楽の血が流れている。アイルランド・ドニゴール州の音楽一家に生まれた背景が、彼女の作るメロディラインに独特の哀愁と透明感を与えているのだ。
「エコーズ イン レイン」においても、ケルト伝統音楽特有のモーダルな旋律感覚と現代的なポピュラー音楽の展開が見事に融合している。クラシックの重厚さとトラッドフォークの温もり、そしてアンビエントな広がり。これらが渾然一体となった響きは、単なるジャンルの枠組みを超え、聴く者の魂を揺さぶる普遍的な芸術作品として完結している。