肺高血圧症の最大の脅威は、初期症状があまりにもありふれている点にある。階段を上るときや重い荷物を持つ際にかすかな息苦しさを感じる程度で、安静時にはほとんど症状が出ない。そのため、健康診断の胸部X線検査でも初期段階での異常検出は容易ではない。
病状が進むと、動悸、胸の圧迫感、さらには立ちくらみや失神といった明確なシグナルが現れる。特に失神は、心臓から肺への血流が著しく阻害され、脳への酸素供給が途絶えかけたことを示す危険なアラートだ。わずかな息切れであっても、進行性かつ持続的である場合は警戒を強める必要がある。