臨床の現場で多くの若者と向き合う精神科医は、この状態を「未来のエネルギーの強制的な前借り」と表現する。薬物や高濃度カフェインによって得られる一時的な万能感や集中力は、脳内の神経伝達物質を無理やり放出させているに過ぎない。その効果が切れた後に待っているのは、激しい疲労感と、以前よりも深い鬱症状だ。
この反動から逃れるために、再び「パキる」ための手段を求める。このスパイラルに陥ると、自力での脱出は極めて困難になる。脳の報酬系が書き換えられ、日常の小さな幸せを感じられなくなるという代償は、あまりにも大きすぎる。