プラスチック製品や塗装された木製家具など、強い溶剤を使うと変色や溶け出しが懸念されるデリケートな素材には、温熱と保湿力を活かした優しいアプローチが推奨される。ここで大活躍するのがドライヤーである。温風をシールの残骸から10センチほど離して10秒〜20秒ほど当てるだけで、固まっていた粘着成分が柔らかく軟化する。
温めて柔らかくなった糊の表面に、普段使っているハンドクリームを薄く塗り込むのがプロ流のコツだ。クリームに含まれるエモリエント油分が糊の隙間に浸透し、接着基盤を根本から浮き上がらせる。大手日用品メーカーである花王などの製品解説でも示されている通り、油分と界面活性の相乗効果を利用することで、素材表面にスクラッチ傷を一切つけずに指先だけでツルンと剥ぎ取ることが可能になる。