高額な医療費に対する最大の防御策となるのが高額療養費制度だ。厚生労働省が定めるこの制度は、1か月(月の初日から末日まで)に医療機関の窓口で支払った自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超えた金額が支給される仕組みである。2026年現在、社会保障費の持続可能性を高める制度改定に伴い、年収に応じた自己負担上限額の細分化や見直しが進められている。
例えば、標準的な中間所得層(年収約370万〜770万円)の場合、毎月の自己負担上限額は「80,100円+(医療費総額-267,000円)×1%」という計算式で算出される。さらに過去12か月以内に4回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目からは「多数回該当」が適用され、上限額が44,000円まで大幅に引き下げられる。事前に「限度額適用認定証」を提示しておけば、病院の窓口での支払いを最初から上限額までに抑えられるため、突然の現金用意に追われるリスクを回避できる。