Q1:一般の個人が市販の洗剤やDIY用途でフッ化水素酸を購入することはできますか?
A1:一般個人への販売は事実上極めて困難です。濃度1%を超えるフッ化水素酸は毒物及び劇物取締法上の「劇物」に指定されているため、購入時には販売店での毒物劇物譲受書の記入、押印、公的身分証明書の提示、適法な使用目的の明示が義務付けられています。また、過去に市販のタイル外壁洗浄剤に含まれていたフッ酸による重篤事故が多発した経緯から、現在では一般家庭用製品への配合は厳しく制限されています。
Q2:皮膚にフッ酸が付着した際、一般的な火傷用軟膏やアロエ軟膏などを塗っても効果はありますか?
A2:全く効果がないばかりか、治療を遅らせて症状を悪化させる極めて危険な行為です。フッ酸による損傷は熱傷ではなく「フッ素イオンによる組織融解とカルシウム脱奪」であるため、一般的な火傷薬では浸透を止められません。直ちに大量の水で15分以上洗い流した後、特異的中和剤である「グルコン酸カルシウム軟膏」を塗布し、フッ酸中毒の知識を持つ専門医療機関へ緊急搬送してください。
Q3:事業所で保管しているフッ酸のボトルを、使いやすい小型のガラス瓶に小分けして移し替えても良いですか?
A3:絶対に避けてください。フッ化水素酸は二酸化ケイ素(ガラスの主成分)と激しく反応してガラスを腐食・溶解させ、ガスを発生させながら容器を突き破って漏洩事故を引き起こします。小分けや保管には必ずポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、またはフッ素樹脂(テフロン)製の専用耐薬品性容器を使用し、外側に「医薬用外劇物」の標示を行ってください。