長年現場を共にした最高峰のキャスト陣にとっても、彼女の存在は特別なものだった。主役の孫悟空を演じ続ける野沢雅子は、折に触れてスタジオでの彼女の気配りやプロ意識の高さを称賛している。過酷なアフレコ作業が続くなかでも、周囲を明るく照らす笑顔と、NGを出さない完璧な準備で現場の士気を引き上げていたという。
現場での知られざるエピソードとして、マイクの立ち位置やセリフの間合いにおいて、常に共演者の動きや声のトーンを巧みに計算していたことが明かされている。相手の演技をしっかりと受け止めたうえで倍の熱量で返すそのスタイルは、共演キャストたちの潜在能力を引き出す触媒でもあった。言葉を超えた信頼関係が、あの名作たちの熱量を生み出していたのだ。