高血圧治療の基本方針は、日本高血圧学会が策定するガイドラインに沿って進められる。診察室で測定する血圧だけでなく、患者が自宅でリラックスした状態で測る「家庭血圧」の重要性が一段と高まっている。
現行の基準において、診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上が高血圧と診断される。降圧目標値は、75歳未満の成人や糖尿病・冠動脈疾患を合併する患者の場合、診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満と設定されている(75歳以上の高齢者は原則140/90mmHg未満、忍容性があれば130/80mmHg未満)。
かつては「年齢+90までは正常」といった古い俗説も存在したが、現代の疫学調査では収縮期血圧が115mmHgを超えた時点から心血管疾患の死亡リスクが直線的に上昇することが証明されている。厳格な降圧目標が設定されているのは、将来の寝たきりや要介護状態を防ぎ、健康寿命を延伸させるための明確な防衛策である。