「長文を書く時間はないけれど、一行で世界観を伝えたい」。都内の大学に通う20代の女性は、InstagramやThreadsの投稿で季語を活用する理由をそう語る。夕立が去った後の濡れたアスファルトの写真に「白雨のあと」と一言添える。あるいは、仕事帰りの居酒屋で冷えたビールを掲げる写真に「短夜」と添える。
感情を言葉で説明し尽くすのではなく、漢字数文字の季語を置くことで余白が生まれる。その余白こそが、見る者の想像力を掻き立てるのだ。古くさいと思われていた伝統言語が、SNS時代の最先端表現ツールとしてリブランディングされている現象は興味深い。