サイバーセキュリティの観点において、アカウントの乗っ取り被害は過去最悪の水準に達している。巧妙化するフィッシングメールやパスワード使い回しの隙を突いたリスト型攻撃により、長年育て上げたアカウントが一瞬にして強奪される事例が後を絶たない。一度奪われたアカウントを取り戻す交渉は困難を極め、ビジネスにおける損失は計り知れない。
被害を未然に防ぐ最大の防御壁は、二要素認証(2FA)の徹底導入だ。SMSによる認証に頼るのではなく、Google Authenticatorなどの認証アプリやパスキー(Passkey)技術を活用した暗号化認証を組み合わせるべきである。第三者がパスワードを入手したとしても、物理デバイスなしではログインできない構造を即座に構築しなければならない。
さらに、サードパーティ製アプリへのアクセス権限を定期的に見直す作業も欠かせない。過去に連携した分析ツールや自動化サービスが攻撃の抜け道となるケースが多発している。不審なログイン履歴の監視や、バックアップコードの安全な物理保管を含め、多層的なセキュリティ体制を維持することが運用者の責務である。