「綺麗すぎる写真は、どこか嘘っぽい」
都内の大学に通う20歳の女性は、首にかけたコンパクト機を指差しながらそう語る。4K・8K動画が当たり前になり、スマホで撮影した顔写真が瞬時に補正される時代。完璧に整えられた画像の氾濫は、皮肉にも人々に視覚的な満腹感をもたらした。
そこで再評価されたのが、2000年代初頭の空気感をまとった写真表現だ。コダック独特の温かみのある黄色と赤の発色、シャドウ部に残る独特の粗さは、ハイエンドスマホの完璧なレンズでは再現できない。不完全だからこそ、その場の空気や感情がそのまま閉じ込められる。若者たちはそれを「リアル」と呼ぶ。