成人の脳疲労以上に深刻視されているのが、脳の発達期にある乳幼児や学童期のスクリーンタイム(画面視聴時間)問題だ。米国国立衛生研究所(NIH)の大規模研究「ABCD研究」をはじめとする最新の追跡調査では、1日長時間のスクリーン利用を続ける児童において、言語能力や記憶テストのスコア低下、さらには大脳皮質の早期菲薄化(薄くなる現象)が確認されている。
人間の社会性や共感力は、他者の表情変化や対面での生々しいコミュニケーションを通じて神経回路(ミラーニューロン)を形成していく。幼少期から画面越しの受動的な情報刺激に長時間浸かる環境は、前頭葉の健全な発達を阻害し、将来的な衝動性の亢進や対人関係構築の困難を招くリスクを孕んでいる。