小学校の理科室からアルコールランプが排除された最大の要因は、「火傷や火災などの重大事故を防ぐため」です。ガラス容器に入った引火性液体を扱うアルコールランプには、子どもの不注意や突発的なトラブルによって大事故へ直結する複数の構造的リスクが存在していました。
特に問題視されたのが、本体が倒れた際の危険性です。机の上で手が触れたり地震で揺れたりしてランプが転倒すると、ガラスが割れて内部の燃料用アルコールが一気に周囲へ流出します。こぼれた液体燃料に引火すると、机一面が瞬時に火の海になる危険がありました。
さらに、昼間の明るい教室ではアルコールの青白い炎が見えにくく、火がついていることに気づかず服の袖や髪の毛を近づけてしまう着衣着火のトラブルも報告されていました。また、火が完全に消えていない状態での燃料補充による爆発事故など、構造上のリスクを完全に排除できない点が教育現場で長年課題とされてきたのです。