一言で言えば、「油を吸いにくく、どこまでも軽い」。これがパン粉揚げとカダイフ揚げの決定的な差だ。
粗挽きパン粉や粉状の衣は、油の熱を受けるとどうしても水分を吸い込み、時間が経つとベタつきやすい。一方、カダイフは糸状の生地が複雑に絡み合った立体的な構造をしている。揚げ油に入れた瞬間、生地と生地の隙間にある空気が一気に加熱され、油切れが抜群に良くなるのだ。
空気をたっぷり含んだ衣は、噛んだ瞬間に「音」として弾ける。口の中で重たく残らず、素材そのものの旨味を引き立てるため、白身魚やエビ、あるいはカマンベールチーズといった繊細な食材との相性が極めて高い。まさに「食材を包む天使の髪」と称される所以である。