セミを食べる文化は決して突飛な現代のブームだけではありません。東洋医学の分野において、セミの抜け殻は「蝉退(せんたい)」と呼ばれる伝統的な生薬として古くから重用されてきました。蝉退には解熱作用、鎮痙作用、皮膚の痒みや咽頭痛を和らげる効能があるとされ、現在でも漢方薬の処方に配合されています。
一方で、喫食にあたっては甲殻類アレルギーに対する厳重な警戒が必要です。昆虫の外骨格には甲殻類(エビやカニ)と同じ「キチン質」や筋肉タンパク質「トロポミオシン」が含まれています。このトロポミオシンは交差反応を起こしやすいため、エビやカニでアレルギー症状が出る人は、セミを食べることで蕁麻疹、呼吸困難、最悪の場合はアナフィラキシーショックを発症する危険性があります。甲殻類アレルギーをお持ちの方は、興味本位であっても絶対に喫食しないでください。