カニエ・ウェストとレコーディング・アカデミー(グラミー賞主催団体)の間には、過去の受賞拒否や授賞式での数々の騒動を含め、長年にわたる複雑な因縁が存在します。そうした背景もあり、夫妻がグラミー賞のメイン会場であるクリプト・ドットコム・アリーナのレッドカーペットに堂々と現れるのか、あるいは周辺の限定イベントのみに登場するのかは、毎シーズン最大の関心事となってきました。
実際に大きな話題となったのは、グラミー賞ウィークに開催されたプレイベントやグラミー賞のアフターパーティーでの電撃的な登場劇です。カニエが全身を覆い隠す漆黒のフルフェイスマスクやオーバーサイズのストリートウェアで異彩を放つ一方、隣に立つビアンカ・センソリは、無駄を極限まで削ぎ落としたシースルードレスを着用。会場に足を踏み入れた瞬間、フラッシュの嵐が巻き起こり、居並ぶトップスターたちを差し置いてその夜の話題を独占しました。
音楽関係者の間では、カニエがグラミー賞という巨大な権威を利用し、自身とビアンカの存在感を最高潮に高めるための極めて計算されたプロモーション戦略であると分析されています。公式の式典そのものへの出席・欠席にかかわらず、グラミー賞というグローバルな文脈に割り込む形で強烈な爪痕を残す手法は、まさに彼らならではのゲリラ的メディアハックと言えます。