構造物の増改築や補強現場において確固たる地位を築いているのが、あと施工アンカー工法である。なかでも、カプセルや注入方式の化学樹脂を用いて鉄筋を固着させるケミカルアンカーは、高い固着力と振動に対する耐久性から、多くの難工事で採用されている。
ケミカルアンカーの強度を最大限に発揮させるには、施工時の温度環境管理と樹脂の計量が不可欠だ。特に冬場や夏場の極端な気温変化においては、樹脂の可使時間と硬化時間が劇的に変動する。規定の硬化時間を確保する前に荷重をかけてしまうと、内部の付着強度が破壊され、本来の設計耐力を発揮できなくなる。施工手順を厳格に順守することが、アンカーの保持力を最大化する絶対条件だ。