実際にコロナ後の重い不眠を乗り越えた患者の体験談を分析すると、回復に至るプロセスには明確な共通項が存在します。
第1の共通点は、「8時間眠らなければならない」という強迫観念を手放したことです。横になって目を閉じているだけでも脳の休息(脳波上の休息)は得られると割り切ることで、就寝前のプレッシャーや交感神経の緊張が和らぎ、結果として自然入眠につながっています。
第2は、ペーシング(活動量のコントロール)の徹底です。調子が良い日に動きすぎて翌日寝込むというサイクルを断ち切り、体力の6〜7割程度で活動をセーブした人ほど、自律神経の回復がスムーズに進んでいます。
第3は、医師と相談の上で一時的に睡眠導入薬や漢方を上手に活用したことです。「薬に頼りたくない」と限界まで我慢するよりも、初期に適切な処方を受けて睡眠負債をリセットした人の方が、早期に服薬を中止・減量できています。