ネット上の掲示板やSNS(Xや口コミコミュニティ)を精査すると、「治療を受けて人生が変わった」「思い切り歯を見せて笑えるようになった」という歓喜の声がある一方、「表情が引きつって笑えなくなった」「高額な費用を払ったのにすぐ元に戻った」という失敗の告白も後を絶ちません。なぜこのような評価の乖離が生まれるのでしょうか。
医療関係者の証言および患者の手記から浮かび上がる「失敗」の主因は、施術自体のミスよりも「原因の誤診・ミスマッチ」にあります。
都内のIT企業に勤める20代女性の手記には、次のような切実な葛藤が記されていました。
「集合写真を撮るたび、自分の笑った顔だけ歯茎が剥き出しになっているのが耐えられず、ずっと手で口元を覆って生きてきました。手軽さに惹かれて某クリニックでボトックスを打ったところ、笑おうとしても鼻の下が麻痺したように垂れ下がり、数ヶ月間まるでお面を被ったような不自然な表情になってしまいました。原因をしっかり検査せず、安易な対症療法に飛びついたことを激しく後悔しました」
この事例のように、重度の骨格要因を抱えている患者に対してボトックス注射のみを行っても、筋肉の収縮を完全に止めることはできず、結果として「笑えないのに歯茎は透ける」という最悪のアンバランスを生じさせます。また、上唇粘膜切除術(LIP法)において執刀医の切除幅の見極めが甘い場合、筋肉の引っ張る力に負けて数年で後戻り(再発)したり、逆に粘膜を過剰に切り詰めて「口が閉じにくくなる」「発音が不明瞭になる」といった機能障害を引き起こすリスクが存在します。