福井県坂井市に位置するこのエリアは、地質学的にも極めて貴重な「柱状節理」と呼ばれる巨岩・奇岩が連なる世界的景勝地だ。約1,200万年もの昔に火山活動で生まれたとされるマグマが冷え固まり、五角形や六角形の規則正しい亀裂が縦横に刻まれている。しかし、この地形こそが滑走や転落のリスクを著しく高める要因にもなっている。
岩肌は長年の風雨と荒波によって削られ、水分を含んだ苔や塩分が表面を滑りやすく変質させている。坂井市観光協会も注意喚起の看板や安全ロープの設置を進めてきたが、景観美を損なわないための配置バランスに苦慮してきた経緯がある。雄大な自然の造形美をひと目見ようと訪れる行楽客が、何の前触れもなく一瞬の不注意で崖下に吸い込まれてしまう構造的リスクがここには潜んでいる。