これほどの空前の売り上げを叩き出した最大の原動力は、キャラクター造形の卓越さにある。主人公の黒子テツヤは、自ら前面に出るのではなく「影」に徹する異色のプレイヤーだ。圧倒的な存在感の薄さを武器にパスを回すスタイルは、従来のスポーツヒーロー像を覆した。
そして彼の対極に位置するのが、天才的な才能を誇る「キセキの世代」の面々だ。彼らの個性が衝突し合う圧倒的カードは、バスケットボールという競技の持つスピード感と相まって読者の心を掴んで離さなかった。従来の部活モノの枠を超え、バトル漫画さながらのスリリングな展開が、ファン層を爆発的に広げる原動力となったのだ。