こうした構造的危機に対し、行政側も手をこまねいているわけではない。国土交通省は全国規模での安全網構築を目指し、最新の無電柱化推進計画を前倒しで強化している。2026年現在、主要な防災拠点をつなぐ指定避難路や都市部の主要幹線道路を中心に、電線を地下の共同溝へ埋設する工事が急ピッチで進められる。
従来の電線地中化工事は、多大な費用と長期間にわたる道路掘削を伴う点が最大のネックであった。しかし近年、浅層埋設技術や小型ボックスを活用した低コスト手法の実用化が進み、工事期間の大幅な短縮が実現しつつある。国土交通省は自治体への補助金を拡充し、特に地震時のブロック塀倒壊リスクや電柱倒壊リスクが重複する危険エリアでの「優先無電柱化」を力強く推進している。