映画『サマーウォーズ』の魅力の一つは、戦国時代から続く旧家「陣内(じんのうち)家」の大家族描写です。総勢30名近い親族が登場する中で、佳主馬の立ち位置を正確に把握している人は意外と少ないかもしれません。
家系図における佳主馬は、当主である陣内栄の孫娘・池沢聖美(きよみ)の長男にあたります。ヒロインの篠原夏希から見ると、夏希の母(陣内雪子)と佳主馬の母(聖美)がいとこ同士であるため、夏希と佳主馬は「はとこ(再従兄弟)」の関係になります。
そして、佳主馬の人格形成に決定的な影響を与えたのが、叔父にあたる陣内侘助(わびすけ)の存在です。かつて気弱で学校でいじめられていた佳主馬に対し、自分を守るための手段として少林寺拳法を手ほどきしたのが侘助でした。
佳主馬はその格闘センスをOZのバトルに昇華させ、キングカズマという最強のアバターを生み出しました。侘助を「おじさん」と呼び、家族の中で誰よりもその帰還を意識していた佳主馬の言動には、格闘技の手ほどきを通じて自分を変えてくれた恩人への深い敬意と憧れが滲み出ています。