おしゃれな文字を書くために、生まれつきの絵心や特別な才能は必要ない。プロのような仕上がりを手に入れる最大の秘訣は、「線の太さのコントロール」と「文字のリズム感」という極めて明快なルールにある。ペンを押し下げるストローク(ダウンスロープ)はしっかり太く、上へ抜くストローク(アップスロープ)は紙をなでるように細く書く。このコントラストを意識するだけで、平坦な文字が瞬時に立体的な表情を帯びる。
さらに、ベースラインをあえて揃えずに文字を上下に跳ねさせる「バウンスレタリング」を取り入れれば、こなれた躍動感が生まれる。「t」の横棒を思い切って長く伸ばしたり、「y」のループを大胆に遊ばせるフローリッシュ(飾り線)を加えるだけで、洗練されたデザインへと昇華する。
独学で最短距離を走るなら、ウェブ上で手に入る無料の練習用見本(ワークシート)を活用しない手はない。方眼紙やガイドライン入りのシートを印刷し、基本のストロークを何度もなぞることで、指先が自然と美しい角度を記憶していく。まずは薄いグレーで印刷された見本の上からペンを走らせるだけで、誰でも驚くほど均整の取れたレタリング感覚を体得できる。