大相撲の長い歴史において、30代半ばを越えてからの「再ブレイク」は決して容易なことではない。しかし、彼はそれをあっさりと、いや、極めてドラマチックにやってのけた。2026年一月場所、実に4年10ヶ月ぶりに幕内の土俵へと返り咲いた男が見せた進撃は、日本中に大きな感動と驚きを与えた。
初日から破竹の6連勝。丸みを帯びた独特の身体を絶妙にしならせ、相手の攻めを吸収しては土俵外へ退ける独特の相撲勘は、並み居る若手力士たちを翻弄した。スピード重視の現代相撲に対するアンチテーゼのような、懐の深い取り口。土俵際での脅威的な粘りは、まさにベテランの意地そのものだった。