かつて幸田町の筆柿は、市場価格の変動や不揃いな規格外品の処分に頭を悩ませていた。この状況を破砕し、農家の営農を安定させるべく立ち上がったのが、当時の町長であった成瀬喜久男氏を中心とする地域リーダーたちだ。
幸田町役場と農協、そして地元農家が一体となり、生産(1次)から加工(2次)、販売(3次)を一貫して手掛ける「地域特産品6次産業化」への挑戦が始まった。規格外の柿を捨てずにペースト化し、ソフトクリームやカレー、お菓子などの加工品へと生まれ変わらせる取り組みだ。
この官民一体となった熱意が形となった象徴こそが、道の駅 筆柿の里 幸田である。行政と町民が手を携えて築き上げた6次産業化の基盤は、現在も地域経済を強力に牽引するエンジンとして機能し続けている。