街宣車はなぜ取り締まらない?警察が放置に見える裏事情と法的限界

街宣車はなぜ取り締まらない?警察が放置に見える裏事情と法的限界

街宣車はなぜ取り締まらない?警察が放置に見える裏事情と法的限界について専門的な視点から解説いたします。詳細な分析をご覧ください。

「思想の自由は認められても、あの暴力的な大音量は取り締まれないのか」という点については、各都道府県が定める拡声器暴騒音規制条例が関係してきます。東京都をはじめとする多くの自治体では、街宣車による暴騒音を制限するための条例が整備されています。

ただし、この条例の適用には極めて高いハードルが立ちはだかります。一般的な規制基準は以下の通りです。

  • 音量基準:拡声器から10メートル以上離れた地点で「85デシベル(dB)」を超える音量を禁止(住宅地や学校・病院周辺ではより厳しい基準が設けられる場合あり)。
  • 手続きの厳格さ:基準値を超過していても直ちに逮捕できるわけではなく、警察官が専用の騒音計で正確に測定し、まずは「音量を落とせ」という中止命令・是正勧告を発令しなければならない。
  • 罰則の限界:命令に従わず音量を出し続けた場合に初めて罰則(6ヶ月以下の懲役または数十万円以下の罰金など)が適用される。

現場の街宣車は、警察官が騒音計を構えて近づいてくると音量を瞬時に下げ、測定基準の85デシベル未満に抑えます。そして警察官が離れると再びボリュームを上げるという「いたちごっこ」を繰り返します。走行中の車両から発せられる音を正確に測定・立証することの難しさが、条例による取り締まりを骨抜きにしているのが実態です。

一方で、特定のエリアにおいてはより強力な法的規制が存在します。それが通称「国会議事堂等周辺地域静穏保持法(静穏保持法)」です。国会議事堂、首相官邸、最高裁判所、外国公館(大使館)などの周辺指定地域において、静穏を著しく害する拡声機の使用は厳しく規制されており、違反者には即時の中止命令および罰則が科されます。大使館周辺などに厳重なバリケードが敷かれ、街宣車が侵入できないのはこの法律が機能しているためです。

小林 直樹
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小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。