名作『僕のいた時間』の根幹を支えたのは、脚本家・橋部敦子による細やかでリアルな心理描写です。病気の残酷さを隠すことなく描きつつも、決して絶望だけで終わらせないストーリーテリングは圧巻でした。三浦春馬自身も役に深く没入し、実際にALS患者や専門医への取材を重ねて役に挑んだことが知られています。
物語を通じて投げかけられる「自分は何のために生きているのか」「自分の時間をどう使うのか」という問いかけは、10年以上が経過した現在でも色あせることはありません。身体の自由を奪われながらも心の自由を守り抜いた拓人の姿は、生きづらさを抱える現代人の心に力強く響き続けています。