テレビのニュース番組や国会中継のインターネット配信が普及したことで、本会議場や予算委員会で舟を漕ぐ議員たちの姿は日常的に拡散されるようになりました。SNS上では「国会居眠りまとめ」「税金泥棒」といったハッシュタグとともに動画が拡散され、5ちゃんねるやYahoo!ニュースのコメント欄では「民間なら即刻クビだ」「時給いくらで寝ているのか」という辛辣な批判が渦巻いています。
しかし、永田町の現場を取材すると、なぜ彼らが悪びれることなく居眠りを続けられるのか、その構造的な理由が浮かび上がります。
ある国会担当記者は次のように証言します。
「本会議場の後方座席やカメラの死角になるひな壇の端などは、閣僚席や質問席と違ってテレビ中継のメインアングルから外れます。また、法案審議の多くは事前に各党の国会対策委員会(国対)や部会で落としどころが決まっており、本会議は事実上の『セレモニー(形式的な儀式)』と化している側面がある。議員本人たちに『自分が起きて熱心に聴いていようがいまいが法案の行方は変わらない』という弛緩した空気が蔓延しているのは否定できません」
さらに、議院内部の規律を司る議院運営委員会も、お互いの党に居眠り議員がいる「お互い様」の力学が働き、特定の議員の居眠りを理由に懲罰動議を出すことはありません。結果として、有権者が動画を見て激怒しても、議場内では何のお咎めもないという二重基準が長年放置されています。