当時の綾瀬西高校において、さかなクンの魚に対する情熱はすでに規格外のレベルに達していました。机の中には教科書ではなく魚の図鑑や手作りの標本が並び、休み時間になれば夢中で魚のスケッチを描いていたといいます。
鈴木拓さんは当時の様子について、「周囲がどれだけ茶化そうとしても、宮澤(さかなクン)はまったくブレずに魚の話をしていた。その姿は高校生ながらどこか格好良かった」と回顧しています。冷めた視線や同調圧力が生じやすい思春期の教室において、鈴木さんはさかなクンの並外れた才能と熱量を面白がり、ありのままを受け入れていました。
二人の関係性を決定づけたのは、無理に群れたり迎合したりしない「絶妙な距離感」です。ベタベタと四六時中つるむわけではなく、すれ違えば言葉を交わし、教室で奇抜な行動を見せれば鈴木さんがツッコミを入れる。そうした飾らない日常の積み重ねが、卒業から数十年を経た現在まで続く信頼の基礎となりました。