一度見たら忘れられないあのミュージックビデオの強烈なインパクトは、どのようにして生まれたのか。昭和の歌番組を想起させるチープなセット、ポンポンを持ったダンサーたち、そして無表情でステップを踏むメンバーの姿。大根仁監督が指揮を執った映像表現は、スタイリッシュさを追求しがちだった当時のバンドMVの潮流に対するアンチテーゼでもあった。
あえて「ダサさ」や「滑稽さ」を前面に押し出す演出は、一歩間違えればコミックソングに傾倒するリスクを孕んでいた。しかし、楽曲が持つ洗練されたトラックと絶妙なバランスで拮抗することで、洗練とシュールが同居する唯一無二のポップアートへと昇華された。この映像戦略の成功が、ヒットの速度を加速させたことは揺るぎない事実だ。