数多くの男性アイドルグループを世に送り出し、日本の芸能界で不動の地位を確立したジャニーズ事務所。その影響力はテレビ局や出版社、広告代理店にまで及び、テレビのゴールデンタイムの番組から雑誌の表紙に至るまで、所属タレントが見ない日はないほどの占有率を誇っていた。ヒットチャートを独占し、少年たちの夢を形作ってきたこの巨大組織は、一人のカリスマ的プロデューサーの審美眼と圧倒的な采配によって運営されていた。
メディアとの密接すぎる関係性は、検閲と同等の威力を発揮した。事務所の意向に反する報道を行えば、人気の所属タレントを番組に出演させないという無言の圧力が働き、報道機関は自主規制を重ねた。権力が集中し、チェック機構が完全に麻痺した環境の中で、少年たちに対する支配構造は静かに、そして確実に深化していったのである。