設備の古さが指摘される一方で、熱烈なリピーターが後を絶たない理由。それは、現代の巨大ドーム球場では絶対に味わえない圧倒的なグラウンドとの近さにあります。
大宮公園野球場の座席構造は、バックネット裏の特別席、内野指定席(1・3塁側)、内野自由席、そして外野芝生席に分かれています。特筆すべきはフェンスの低さと客席の傾斜角です。ネット裏から内野席にかけては、選手の声の掛け合いやベンチから飛ぶ指示、投球がキャッチャーミットに収まる破裂音が、防音壁のない大気を通してダイレクトに耳朶を打ちます。
毎年恒例の埼玉西武ライオンズ大宮開催日程では、所沢のベルーナドームとは全く異なる「お祭り騒ぎ」が繰り広げられます。外野席にレジャーシートを広げ、緑豊かな公園の木々を借景にビールを傾けながら白球を追う光景は、SNS上でも「これぞ日本の正しい野球場」「風が抜けて最高に気持ちいい」と絶賛の嵐を巻き起こしています。
一方で、手放しの賛美ばかりではありません。知恵袋やファンコミュニティでは、夏の高校野球埼玉大会決勝における過酷な観戦環境に対する悲鳴も散見されます。「座席に背もたれがなく、前の座席との間隔が狭すぎて足が痺れる」「7月下旬の炎天下、直射日光を遮るものがネット裏最上段以外に一切ないため熱中症の恐怖と隣り合わせになる」といった声は、現地へ足を運ぶファンが直面する偽らざる真実です。情緒を取るか、快適性を取るか——観戦者の評価は見事に二極化しています。