全国の行政機構を見渡しても、沖縄総合事務局ほど特異な立ち位置にある組織は存在しません。1972年5月15日の沖縄本土復帰に伴い、戦後米軍施政権下にあった沖縄の復興と開発を迅速かつ強力に推進するため、国の地方支分部局を一本化する形で創設されました。
通常、本州や九州などの各地域では、道路や港湾の整備は「国土交通省 地方整備局」、中小企業支援や新産業育成は「経済産業省 経済産業局」、農業施策は「農林水産省 地方農政局」がそれぞれ独立して所管します。しかし、沖縄県においてはこれらすべての権限を内閣府の地方支分部局である沖縄総合事務局が一手に担っています。
縦割り行政の弊害を排し、観光振興、物流インフラ整備、農水産業のブランド化、先端産業の誘致をシームレスに連携させる「ワンストップ行政」が最大の強みです。2026年現在も、沖縄振興基本方針に基づく各種施策の司令塔として、県政や地元経済界と密接に連携しながら巨額の国家予算を執行しています。