かつて彼が大家族と暮らした日々は、テレビカメラというフィルターを通してエンターテインメントとして消費された。しかし、彼が現在拠点としている東北地方の山あいの集落では、カメラのない「リアルな日常」が営まれている。空き家を自手で改修し、共同で畑を耕し、夜は一つの食卓を囲む。かつてのテレビ番組を彷彿とさせる光景だが、そこにいるのは血の繋がらない他人同士だ。
「家族なんてものは、最初から決まっている枠組みじゃない。一緒に飯を食って、同じ屋根の下でゴロゴロしていれば、それがもう家族なんだよ」。そう語る彼の表情には、かつてのギラついた雰囲気はなく、どこか悟りを開いたような穏やかさが漂う。