飛距離が出にくいとされる新基準バットへの移行から数年、高校生たちの打撃技術は目覚ましい進化を遂げた。かつてのような力任せの引っ張りではなく、ボールのラインにバットを長く乗せ、芯で捉えてライナー性の打球を外野の間に飛ばす、洗練されたアプローチが主流となっている。
その中でも一際異彩を放つのが、今大会屈指のスラッガーとして注目を集める4番打者だ。下半身でしっかりと軸を作り、インパクトの瞬間に爆発的なヘッドスピードを生み出すフォームは、大リーグの強打者を彷彿とさせる。地方大会から打率5割を超え、長打を連発してきたそのスイングは、甲子園の広いグラウンドすら狭く感じさせるほどだ。「バットの芯を外してもフェンス際まで持っていくパワーがある。プロ入り後、木のバットに変わっても即座に適応できるだろう」と、関係者の評価も極めて高い。