この場所を語る上で欠かせないのが、インディー・ロックの過渡期を駆け抜けたバンドたちの秘話だ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのフロントマンである後藤正文は、結成初期の試行錯誤の時期にこのステージで音を磨き上げた。完璧なアンサンブルと感情を叩きつけるボーカルスタイルは、まさにガレージの濃密な空間で観客と対峙する中で鍛え上げられたものだ。
一方、Base Ball Bearの小出祐介にとっても、下北沢GARAGEは青春そのものであり、綿密なポップセンスと鋭利なギターサウンドを研ぎ澄ませた聖域だった。当時の彼らが残した演奏の熱量は、今なお同地を語る上で伝説的なエピソードとして語り継がれている。大手レーベルのスカウトがしのぎを削り、一晩のライブでバンドの運命が激変した時代。そのダイナミズムの中心に、常にこの場所が存在していたのだ。