辻新之助の強さを語る上で外せないのが、洗練し尽くされたトリガー構成と、それを完璧に使いこなす戦術眼だ。メインに「孤月」と「旋空」、サブには「シールド」や「バッグワーム」を配置する基本形を踏襲しつつも、彼の本領は「援護」の質にある。二宮隊の戦術軸は、圧倒的なトリオン量を誇る二宮匡貴による弾幕攻撃だ。普通であれば、味方の強力な射撃は攻撃手にとって障害となり得る。だが辻は、二宮の放つ追尾弾(ハウンド)や通常弾(アステロイド)の隙間を縫うように鋭く踏み込み、敵の意識を絶妙に分散させる。
相手のガードを崩し、決定打を二宮に叩き込ませるための布石を打つ。あるいは、自らが囮となって敵の攻撃を受け止め、味方に反撃の隙を作る。派手なスコアメイクこそ他のアタッカーに譲る場面が多いものの、彼が戦場にいるだけでチーム全体の生存率と攻撃力は跳ね上がる。自分自身のポイント獲得以上にチームの勝利を優先する徹頭徹尾リアリスティックな姿勢こそが、辻が「天才」と称される所以である。