毎年くるくると変わる恵方だが、実は無作為に決まっているわけではない。その根底にあるのは、古代中国から伝わる「十干(じっかん)」の思想だ。甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素が、西暦年の下一桁と連動している。
恵方の方角は実質的に「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の4パターンしかない。2026年は十干でいう「甲(きのえ)」の年にあたり、西暦の下一桁が4の年は自動的に東北東(細かくは105度)が恵方となる。歳徳神がその年に降臨する場所を、先人たちは整然とした法則性の中で導き出していたのだ。自然の摂理と暦の智恵が織りなすこのシステムを知ると、何気ない年中行事にも深みが増してくる。