絶版から数十年が経過した作品が、なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。きっかけはインターネット上での口コミだった。かつて1990年代後半に月刊誌へ連載されていた短編群が、東日本大震災をきっかけに「真の予言漫画」としてSNS上で拡散。古本市場では1冊数十万円という異常なプレミアム価格で取引される事態にまで発展した。
時代が平成から令和へと移り変わっても、人々の不安や関心が薄れることはない。むしろ異常気象や巨大地震の懸念が高まる現代において、過去の「予知」が持つ重みは増すばかりだ。一時は偽者の出現による混乱もあったが、著者が自ら事実関係を整理し、沈黙を破ったことで、あらためて作品に込められた本来の意図が問われている。